太宰治『美少女』について

今日の話は、シャレの分からない人は読まない方が良いと思います。
太宰治の短編に『美少女』と言うのがある。青空文庫を見て、こんな作品もあるということを初めて知った。

私は太宰については、『人間失格』くらいしか読んでいない。全部読んだからと言って偉そうなことは言えないので、無責任に言ってしまうが、こんなことを書いても許されるのか、こいつは

「顔より乳房のほうを知っているので、失礼しました、と私は少女に挨拶したく思った。」

過去に「AV女優は顔よりも体で覚える」と言って、我ながらひどい発言だと思ったことがあるが、太宰の方が一枚も二枚も上手だった。向こうは昭和初期だ。さすが、教科書に載るような小説を書く人は違う。

この倒錯した優越感、気持ち悪い親近感が、たまらない。そんな自分を小説で中途半端に暴露してしまうところも含めて、ものすごく理解(誤解か?)してしまう。

そんな良い作品である『美少女』。とても短いので、お時間がある人は、読んでみることをお勧めしたい。